随筆家・内田百ケンと門下生たちの交流をモデルに、様々なエピソードで師弟愛を描いた黒澤明監督の遺作となったドラマ。「八月の狂詩曲」に続く黒澤明監督の三十作目であり、「姿三四郎」でデビュー以来監督生活五十周年目という記念すべき作品。
昭和18年の春。先生は生徒たちに、作家活動に専念するために学校を去ることを告げる。しかし、退職後引っ越した家にも門下生たちは遊びにやってくるようになる。ある日、先生の還暦の祝宴が開かれていた最中、空襲がやって来る。やがて、空襲で家を焼かれた先生と奥さんは、知人の厚意で借りた三畳一間の掘建て小屋で暮らすようになるが