アインシュタインと原爆/Einstein and the Bomb(2024)

1933年、世界で最も有名な科学者であるアルバート・アインシュタインは逃亡生活を送っていました。ドイツではヒトラーが政権を握り、ユダヤ人住民の組織的な迫害を始めたため、身の危険を感じた彼は故郷ドイツの地を離れることを余儀なくされます。
ナチスによる暗殺というきわめて現実的な脅威から身を隠す場所を探そうとするアインシュタイン。しかし、世界的な著名人が人目を避けられる場所などあるのでしょうか? その答えは、イギリス・ノーフォークの野原の中に建てらえた木造の小屋と、ほとんど知られていないこの隠れ家にまつわる話にあります。ここでの生活が、ヨーロッパと米国、平和主義と武力行使の狭間に立たされた彼の人生におけるターニングポイントになり、人類の発明の中で最も強力な破壊力を持つ原子力爆弾への彼の関与を最終的に決定づけることになります。
「アメリカ炭疽菌事件と犯罪科学捜査」や、Emmy賞受賞作品「外科医は挑む -革新と情熱の医療最前線-」を手がけたBBC Studiosによるこの作品は、劇中のアインシュタインの台詞をスピーチや手紙、インタビューで語られた本人の言葉だけで構成した、革新的なドキュメンタリードラマです。ドラマティックな場面には、2つの世界大戦から、ファシズムの台頭と崩壊を経て、核の時代の到来までを生きたアインシュタインのアーカイブ映像が織り交ぜられており、20世紀以降最も偉大な思想家の1人と言われる人物の姿を、これまでにない洞察力で感動的に描いた作品。