物語は1965年に起きた、共産党系将校によるクーデター未遂事件といわれる9・30事件から数週間後の東ジャワ州バニュワンギ南部の農村地帯が舞台。9・30事件を受けて全国的に共産党員や支持者の排除運動が広がる中、共産党支持の村では武装し、逆に共産党系ではないイスラム団体NU(ナフダトゥール・ウラマ)系の村を襲うなど共産党系とNU系の村での対立が激化していた。
こうした中、ニンは共産党系の村のリーダーの娘ながら争いを好まず、父親が襲撃する予定の村に事前に知らせて避難させ、被害者を少しでも減らそうと一人奔走していた。その一環でニンはNU系の村の若者イサンと出会う。イサンも平和を望むため、兄が村の自警団の団長をしていたものの自警団への参加を拒否し続けていた。共産党系とNU系の村とそれぞれ敵対する村でありながら、同じ志を持つニンとイサンはお互いに惹かれあっていく。