1940年8月、ベルリン。18歳のステラ・ゴルトシュラーク(パウラ・ベーア)は、アメリカに渡りジャズシンガーになる夢を見ていたが、ユダヤ人の両親を持つステラにとって、それは儚い夢だった…。
3年後、工場で強制労働を強いられていたが、ユダヤ人向けの偽造パスポートを販売するロルフと出会い、恋に落ちるステラ。同胞や家族が隠れて生活する中、ロルフの手伝いをしながら街中を歩き、自由を謳歌する。
しかし、ゲシュタポに逮捕されると、アウシュヴィッツへの移送を免れるため、ベルリンに隠れているユダヤ人逮捕に協力をする。生き残るために同胞を裏切ったステラは、終戦後、裏切ったユダヤ人仲間から裁判をかけられることに――。
両義的な顔を持つ複雑なステラを演じたのは、『水を抱く女』(2020)でベルリン国際映画祭主演女優賞を獲得した、稀代の女優パウラ・ベーア。