地獄の黙示録/Apocalypse Now(1979)
1969年、ベトナム戦争後期。アメリカ陸軍第173空挺旅団のウィラード大尉はある指令から再びベトナムに戻ってきた。彼は、MACV-SOGの一員として、CIAによる要人暗殺の秘密作戦に従事してきた経験が豊富だったが、戦地を離れていると無聊にさいなまれ、酒におぼれる日々を送っていた。ウィラードはその実績を買ったアメリカ軍上層部から、元グリーンベレー隊長のカーツ大佐を暗殺するよう指令を受ける。カーツは元々は優秀な軍人であったが、常軌を逸し、軍の命令を無視し、カンボジアのジャングルの中に独立王国を築いていたとの事だった。
ウィラードは複雑な思いを抱きつつも海軍の河川哨戒艇に乗り込み、乗組員に目的地を知らせぬまま大河を遡行する。そして一行は戦争の狂気を目の当たりにする。サーフィンをするために、ベトコンの前哨基地を襲撃する第一騎兵師団の指揮官。ジャングルに突如として出現したプレイメイトのステージ。指揮官抜きで戦い続ける最前線の兵士。気がおかしくなる様なベトナムの惨状の中、麻薬に溺れ、正気を失ってゆく哨戒艇の乗組員たち。やがてカーツの王国に近づくにつれて、ウィラード自身も少しずつ心の平衡を保てなくなってゆく。何とか王国にたどり着いたウィラードはカーツと邂逅し、その思想や言動に動揺する。