タイのヒット映画で日本でも公開された映画「愛しのゴースト」(原題「Pee Mak」、2013年作品)のインドネシア・リメイク版。実力派コメディ俳優が脇を固め、大いに笑え、最後にはしんみりともさせるコメディホラーである。タイトルの「Kang」は西ジャワ州を中心にしたスンダ民族の言語、スンダ語で「お兄さん」という意味で、恋人や夫など愛する人に対しても使用される。ジャワ語でいえば、「マス」(Mas)と同じである。
物語は、国軍兵士のマクムル(マック)が身重の愛妻を自宅に残して戦地に向かうところから始まる。生死を共にした仲間4人と自宅に戻ると、愛妻サリが赤子を抱いて迎える。戦地からの帰還と妻との再会、子供の誕生を喜ぶマック、それを見て喜ぶ仲間たち。しかし、マック家に滞在中、仲間たちは不思議な出来事に遭遇し始める。集落の住民が怯える姿もいぶかしい。やがて仲間4人は、マックの留守中に、実は妻のサリがすでに死んでいたことを知ってしまう……。