海がきこえる
「月刊アニメージュ」に連載されていた氷室冴子原作の小説を、日本テレビ開局40周年記念番組として“スタジオジブリ若手制作集団”と呼ばれた望月監督とスタッフがアニメ化した青春ドラマ。土佐・高知の男女高校生が辿る青春の軌跡を描く。
東京の大学に進学した杜崎拓は、吉祥寺駅の反対側ホームにある人影を見た。中央線下り列車に姿を消したその人影は確かに武藤里伽子に見えた。だが、里伽子は高知の大学へ行ったのではなかったのか。高知へと向かう飛行機の中で、拓の思いは自然と里伽子と出会ったあの2年前の夏の日へと戻っていた。里伽子は勉強もスポーツも万能の美人。その里伽子に、親友の松野が惹かれていることを知った拓の心境は複雑だった。拓にとって里伽子は親友の片思いの相手という、ただそれだけの存在だった。それだけで終わるはずだった。高校3年のハワイの修学旅行までは
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