ノルマンディー上陸作戦を描いた実話
アイゼンハワーは苦悩していた。ノルマンディー上陸作戦のための軍事演習「タイガー演習」にて事故が起き、多くの犠牲者が出たのだ。いよいよ失敗は許されない状況のなか、作戦決行のため呼び出されたのが軍事気象学者ジェームズ・スタッグだった。
「史上最大の海上作戦だ。戦争の行方と、数千万人の命がかかっている。予報が必要だ。チャーチルは君を、この国で最高の気象学者だと言っている」
ところが2つの異なる予報が飛び込んできて、アイゼンハワーは決断を迫られる。「上陸当日は晴れる」という予報と、スタッグによる「当日は嵐」との予報だ。決行すれば嵐に流されてしまうと説得するスタッグに対し、陸軍総司令官バーナード・モントゴメリーは「決行しなければ戦争に負ける」と主張する。
アイゼンハワーは「決断は私が下す。私だけで下す」という。スタッグは「事実(ファクト)に向き合え! それがどんなに恐ろしくとも」と声をあげる。「私が話している嵐は現実です。自然の脅威も現実なのです」──。
戦場の最前線と、ひたすら議論を繰り返す上層部、その両面からノルマンディー上陸作戦を緊迫感たっぷりに描き出す本作は、劇作家デヴィッド・ヘイグの戯曲を映画化したもの。監督・脚本は『ホテル・ムンバイ』(2018)のアンソニー・マラスが務め、原作者のヘイグも共同脚本として参加した。