英領インド時代に当局の目を盗んでラジオ局を立ち上げ、全国のインド人に自由と独立を訴えかけた実在の女性フリーダムファイター、ウシャー・メヘターの伝記映画。
1942年、ボンベイ。親英的な裁判官ハリプラサード・メヘター(サチン・ケーデーカル)の一人娘ウシャー(サーラー・アリー・カーン)は、マハートマー・ガーンディーに影響を受け、国民会議派の活動に参加していた。8月8日、ガーンディーは「インドを去れ」運動を開始し、「行動か、死か」のスローガンを国中に広める。植民地政府は国民会議派の政治家たちを逮捕し、運動を押さえ込もうとする。
 ウシャーはラジオ局を立ち上げて国中にフリーダムファイターたちのスピーチ音源を放送することを思いつき、フィルダウス・エンジニア(アーナンド・ティワーリー)や、友人のカウシク(アバイ・ヴァルマー)、ファハド(スパルシュ・シュリーヴァースタヴ)と共に「コングレス・ラジオ」を秘密裏に開設する。ラジオから流れてくるメッセージは国中の活動家たちに届いた。
 父親から家に閉じ込められそうになったウシャーは家出をし、国民会議派活動家たちのアジトに身を寄せる。そこで彼女は著名な活動家ラーム・マノーハル・ローヒヤー(イムラーン・ハーシュミー)と出会う。ウシャーは自分たちがコングレス・ラジオの運営者だと明かし、彼のスピーチを放送することを決める。
 違法なラジオ局が反英的な放送をしていることを察知した当局は取り締まりに乗り出す。警察官のジョン・ライル(アレックス・オニール)は電波探知車を調達してラジオ局の発信場所を特定しようとする。だが、警察の中にも国民会議派のシンパがおり、ウシャーたちに危機を伝えてくれる。ジョンが近づくと彼らは放送を止め逃げ出すことを繰り返した。
 ローヒヤーはディーワーリー祭の日に一斉蜂起を呼びかけることを決める。だが、ジョンは電波探知車を2台用意し、三角測量で発信元を突き止めようとしていた。ウシャーは発信器を2台作って攪乱しようとするが、ジョンの動きの方が早く、エンジニアが逮捕されてしまう。それでも一斉蜂起のメッセージは全国に発信しなければならなかった。
 ウシャーは国のために命を捧げることを決意し、危険を承知でディーワーリー祭の日に放送を決行する。彼女は一人でそれを行おうとしたが、ウシャーに好意を寄せていたカウシクも加わる。放送が始まるとジョンは早速探知に乗り出し、ウシャーとカウシクを逮捕する。一斉蜂起のメッセージは全国に伝わり、各地の活動家たちが行動を開始するが、それらは鎮圧されてしまう。
 ウシャーはローヒヤーの居所について尋問を受けるが口を割らなかった。ウシャーは4年の禁固刑となり、1946年に釈放された。だが、それまでに彼女の勇敢な行動はインド人に知れ渡っており、刑務所の外では大勢の人々が彼女を迎えた。ハリプラサードも娘を誇りに思うようになる。