1980年代のキューバ…共産主義の理想と平等を夢見て革命を起こしたカストロ政権下だったが、いざ蓋を開けてみると、もともと貧しかった人々は、さらなる貧困に見舞われ、一日中野良仕事に駆り出されても、日々食べるものにも事欠く有様…
そんな若者達の唯一の楽しみは、アメリカからのラジオの電波を拾って、そこから音楽番組を聴く事…ところが政府は、ロック音楽を禁止し、ロックコンサートに行けば逮捕される?!
しかしそんなキューバにも1箇所だけ例外的に自由が認められている場所があった…それはAIDS患者を収容するサナトリアムである…
そこで、あろう事かAIDS患者の血液を注入し、わざとAIDSに感染してサナトリウムに入ろうとする若者達が続出…その数は400人以上いたと言う?!…彼等は「Los Frikis」と呼ばれた…「Frikis」とは英語なら「Freaks」…「奇人変人」あるいは「通常の理解の及ばない、常識を脅かす存在」…といった意味である…
AIDSは、その当時世界中がその感染を恐れていた不治の病…その治療法は当時はまだなく致死率も無茶苦茶高い… しかし、どうもその若者達は、そこまでAIDSの事をよくわかっていなかった…というのもあったようだ…
AIDSは免疫機能を破壊するので、エイズ患者は風邪でも死んでしまう…それを「風邪くらいなら大した事はない」と思い、また「10年くらい生き残れば、その内政府が治療法を見つけてくれる」と、その政府を信用していないくせに当てにする…